会社員が知っておくべき保障制度。
万一のことがある、事故に遭う、病気・ケガで働けなくなる、失業するなど、暮らしの中には不安がいっぱいです。これらに備えようと保険や共済への加入を検討するわけですが、その前にチェックしておきたいのが「公的保障」の内容です。会社員の場合、「勤め先の保障」でさらに手厚い保障が用意されていることもあるので、こちらもチェックしておきましょう。
万一の死亡保障を担うのは「遺族年金」。そのうち「遺族基礎年金」は公的年金制度に加入する国民共通の制度ですが、加えて会社員の場合、それに上乗せの「遺族厚生年金」があります。勤め先の福利厚生制度が充実していれば、さらに独自の制度も期待できます。
病気・ケガの治療については、「健康保険」がかなりの部分をカバーしてくれます。なかでも、医療費が高額になった場合の自己負担額に上限が設けられている「高額療養費制度」は、健康保険組合によっては「付加給付」により、自己負担額がかなり低くなるところもあります。
働けなくなった場合にも安心の保障制度。
会社員の健康保険は医療費のカバーだけでなく、「就業不能保障」の役割もあります。「傷病手当金」がそれで、病気やケガで会社を休んだ場合に会社からの給与が支給されない場合に受けられるものです。期間も1年6ヵ月と充実しており安心。さらに付加給付がある健保組合もあります。
通勤途中や勤務中の事故により病気・ケガをして仕事を休んだ場合は、健康保険ではなく「労災保険」でカバーされます。治療費はもちろん、収入の保障、障害状態になった場合の補償などがあります。
昨今の情勢では突然の失業ということも考えられます。その場合、「雇用保険」から「基本手当」が受けられ、失業中の収入保障の役割を果たします。
こうしてみると、会社員はベースとなる保障が充実しています。とはいえ、付加給付や福利厚生制度が充実している大企業と、法定給付のみの中小企業とでは充実度が違うことにも留意が必要です。
保険や共済への加入を検討する場合は、勤め先の保障制度をよく確かめた上で、ムダのないシンプルな保障を選ぶとよいでしょう。
POINT
- 1.会社員の死亡保障は「遺族基礎年金」に加え、さらに「遺族厚生年金」がある
- 2.会社員の健康保険には医療保障だけでなく、「傷病手当金」による就業不能時の収入保障の役割もある
- 3.会社員の場合、「労災保険」や「雇用保険」からの補償もある