社会人になったら保険に入るべき?
新社会人が周りの大人からよく言われることに、「社会人になったら保険のひとつくらい入りなさい」というものがあります。確かに、働いて収入を得るようになれば、親の扶養からはずれて勤め先の健康保険に加入したり、厚生年金に加入したりするのは社会人の義務。これらは今後の医療保障、就業不能保障、死亡保障、障害保障、老後保障のベースとなる保障として、大事にすべきものです。
たとえば、健康保険からは医療費の大部分がカバーされます。入院して大きな手術を受けることになったとしても、健康保険には「高額療養費制度」が備わっているため、一定の金額以上には医療費はかかりません。勤め先の制度によっては自己負担額の上限がかなり低くなっていたり、差額ベッド代などの補助がある場合もあります。まずは公的な保障や勤め先の保障など、すでに備わっている保障を確認することから始めましょう。
自分で選んで保険・共済に加入する場合は、公的保障に加えてどれくらいの保障が必要か、よく考える必要があります。
就職したての頃は、最低限の保障で十分。
保障自体、不必要ということも考えられます。死亡保障を例にとると、本人の死亡により経済的に困る誰かがいるかどうかです。働けない親を援助する必要がある、きょうだいの学費の面倒を見る必要があるなどの事情があれば別。しかし、新社会人の多くは誰かに対する経済的な責任は大きくないはずです。高額の死亡保障をいきなり備えるのは、働いて得たせっかくの給料からムダな支出が出てしまうことになりかねません。
死亡保障を本格的に検討するのは結婚し、家族ができてからで十分。シングルのうちは自分のための保障を中心に考えましょう。
また、若い世代にも老後資金不足を心配する人が少なくありませんが、「年金がもらえなくなる」など、不確かな情報に踊らされないようにしたいもの。個人年金保険に入ったら安心かというと、長く続けないと元本割れするなど不利な点もあります。ライフプランが定まらない若い世代は、保障を低く抑え、何にでも使える貯蓄を増やすことをお勧めします。
POINT
- 1.まずは公的保障や勤め先の福利厚生制度の内容を確認しよう
- 2.保険・共済へ加入する場合は、最低限の保障に抑え、貯蓄するゆとりを
- 3.高額の死亡保障などは、結婚して家族ができてからで間に合う